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  • お坊さんパパのお話

どうしたらえ〜かわからん

先日、こういう電話相談を受けた。「会社が倒産する。社員に給料を渡せない。代々続く会社であるが、私の代で潰してしまう。どうしたらえ~かわからん。」


この相談を受けたときに、私は「何も応えられない」と思った。無力感を感じた。 しかし、彼の声、心にただただ寄り添いたいがために、共感していくしかなかった。彼は私にアドバイスを求めていない。彼は、尽くす手は全て尽くした。「もう何もできない。首を括るしかない。」とまで言う。私が思ったことは、「この彼が自死しないだろうか」ということだけだった。


ひたすら彼の声を聞いた。うなずき、傾聴し、寄り添った。長い沈黙も続いた。彼から発せられる声をひたすら聴いた。時間だけが過ぎていった。そして彼は電話を切る前に「聞いてくれてありがとう。」と言ってくれた。どうしようもできない彼にとっては、今はそばで私のこの状況を理解してくれる人がいれば良いということだ。彼の心の中では私に電話してくる前にはもうすでに結論が出ているのだ。倒産すると。そのことをどうしようもできない私の今を理解してくれる人がそばにいてくれるだけで彼は良いのだということ。ただそれだけである。


神仏にすがるために住職の私に電話してきたのではない。ただただ自身の心の声を聞いて欲しいだけである。そのご縁をいただいただけである。


最後に私は「祈る」しかなかった。


合掌、



マザーテレサの言葉:聞き手「あなたは祈るときに神に何か言いますか」マザー「何も言わない。ただ聞くだけ」聞き手「神はあなたに何か言いますか」マザー「神は何も言わない。神はただ聞くだけ」


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